
手の甲には中手骨という骨があり、よく骨折を起こします。中でも、中手骨の頚部はボクシングなどで
パンチをした際に発生することが多いため
「別名:ボクサー骨折」とも呼ばれます。
パンチ・殴る(ボクシング・空手・ケンカなど)、手を突いて転倒、物に当たる・強打するなど。
手指を動かすと痛む、腫張(はれ)、血腫(内出血)、変形など。
骨折が疑われる場合はX線検査が行われます。しかし、骨に転位のないもの(ズレのないもの、ヒビ)、小さな裂離骨折、小児の骨端線(成長軟骨)損傷などは、骨折がX線検査では明確に分からないことがあります。
したがって、X線所見で骨折が明確でない場合でも、問診・症状・臨床所見などが重要で、骨折が疑われる場合は骨折に準じた同じような処置が必要になります。
当院では、上記のようなことを踏まえた上で、問診・症状・臨床所見などを重視し、さらに局部をクローズアップして観察できる
超音波エコーで経過を観察しながら治療を進めています。
手術治療と保存治療(手術以外)があり、保存治療が基本になります。手術治療は、転位(骨のずれ)を整復(骨のずれを直す)出来ない場合や、整復した状態がある程度の範囲で維持できない場合などに行われます。
反対に、保存治療は転位がない場合や、転位を徒手整復し、整復した状態がある程度の範囲で維持できる場合などに行われます。
当院では、整復が必要な骨折は
整復(骨のずれを直す)を行い、
骨折の骨癒合の促進・痛みの軽減などを目的に、
ギプス・副子・装具固定、三角巾、低周波治療、アイシング(冷却)、温熱療法などを行っています。
次に、症状や骨癒合の状況に応じて
ストレッチング、マッサージ、筋力増強訓練、関節可動域訓練などを行っています。