
転倒などで手を突いて肘を捻ったり、スポーツなどでは
投球動作といった繰り返しストレスが働いて発生することが多いです。
また、
肘関節脱臼では肘内側側副靭帯損傷を伴うことがほとんどです。
肘の内側が痛む、肘を動かすと痛む、投球時に痛む、腫張(はれる)、血腫(内出血)、肘がグラグラするなどがあります。また、脱臼や骨折を合併することがあります。
靭帯の断裂の程度で、以下のように損傷程度が決められます。
・1度:靭帯が伸びる、あるいは一部断裂したもの。
・2度:広範囲にわたって断裂したもの。
・3度:完全断裂。
X線検査では靭帯は明確に写らず、臨床所見や徒手検査が基本になりほぼ判断できます。さらに、3度損傷の疑いがある場合などはMRI検査。どの患者さんにもこれらの検査すべてが必要なわけではありません。当院では、必要に応じてほかの医療機関とも連携しながら検査を行っています。
一方で、MRIでも異常を明確に写すことができないこともあり、問診・臨床所見などが重要です。
また、当院では
超音波エコーで靭帯の状態などをチェックしながら治療を進めています。
手術治療と保存治療(手術以外)があります。
“1度・2度損傷”は「保存治療」が行われますが、“3度損傷”では年齢・性別・活動性などを考慮して、手術治療・保存治療どちらを選択するかを検討しなければなりません。
当院では、損傷の程度に応じて、
患部の固定・靭帯再生の促進・筋肉の柔軟性の獲得・痛みの軽減などを目的に、
テーピング、ギプス・副子・装具固定、アイシング(冷却)、低周波治療、温熱療法、マッサージ、筋力増強訓練、ストレッチングなどを行っています。