“いわゆる五十肩”(以下、五十肩と記載します)とは
「中高年の人で、肩関節の痛みと動く範囲が制限される(関節拘縮)もの」を示します。
このような症状は、五十肩以外の疾患(
腱板損傷、上腕二頭筋腱炎、肩峰下滑液包炎など)でも起こります。そのため、五十肩だけではなく、年齢に関わらずこれらの疾患群を含めた総称として
「肩関節周囲炎」という言葉が用いられることもあります。
加齢的変化を基盤として、
腱板損傷や肩峰下滑液包炎などを起こし、それに伴って肩関節の拘縮を起こすと考えられています(不明な部分もあります)。
腕・肩が上がらない、手が後ろに回らない、更衣時の痛み、夜間に痛むなど。
一般にはX線検査では異常はなく、臨床所見や徒手検査が基本になります。
また、当院では
超音波エコーで腱板損傷の有無などを確認します。
炎症が強い場合は「安静」が必要になり、炎症が少なく肩関節が拘縮を起こしている場合は「運動」が必要になります。
当院では、炎症・痛み・拘縮の程度などに応じて、
炎症や痛みの軽減・拘縮の軽減・患部の固定・筋肉や腱の緊張緩和などを目的に、
関節可動域訓練・テーピング・アイシング(冷却)・低周波治療・温熱療法・マッサージ・筋力増強訓練・ストレッチングなどを行っています。また、
はり灸治療も大変有効です。