脛骨(スネの骨)の“
脛骨粗面”という場所に痛みが起きる疾患です。脛骨粗面には、
大腿四頭筋(大腿前面の筋肉)が膝蓋骨(お皿の骨)を介して膝蓋靱帯(膝蓋腱)となって付着し、大きな力
(牽引力)が働きます。
成長期の10代前半の男子(女子にもあります)によくみられ、骨の成長が終わりに近づく17〜18歳になると、それまで痛みが続いていても自然に改善することが多いのが特徴です。しかし、運動を継続すると
数年にわたって痛みが続き、十分に運動パフォーマンスを発揮できないことも稀ではありません。
走る・ジャンプ・ボールを蹴るといった繰り返しで、大腿四頭筋の牽引力が働いて
骨端線(成長軟骨)が損傷を起こします。
脛骨粗面部の運動時の痛み、正座などで圧迫された時の痛み、膝を屈曲した時の痛み、外見上も骨が隆起するなど。
保存治療(手術以外)がほとんどです。手術治療はまれですが、骨片が分離した場合などに行われることがあります。
当院では、運動を制限・休止することが原則ですが、さまざまなことからスポーツ活動を継続しなければならない人もあり、個人の特性に合わせて治療の方針を立てて行っています。その上で、
筋肉や靭帯の緊張緩和・痛みの軽減・血流の改善などを目的に
テーピング、サポーター(オスグッドバンド)、低周波治療、アイシング(冷却)、温熱療法・運動療法・ストレッチング・マッサージ、はり灸治療などを行っています。