子供のころによくかかる
「水ぼうそう」の原因になる、
「水痘帯状疱疹ウイルス」によって発症します。このウイルスは、「水ぼうそう」が治ったあとも体の神経の中
(神経節)に潜んでいて(潜伏感染)、免疫力・抵抗力が低下したときに再び増殖して、皮膚に水疱(みずぶくれ)や神経痛などを起こします。
免疫力を低下させる要因として、
ストレス、疲労、睡眠不足、ケガ、風邪、糖尿病、悪性腫瘍、老化などが挙げられます。
中高年になって発症することが多いですが、最近は
20〜30歳代にも増えており、まれに小児にも起こります。
ウイルスが神経の中に潜んでいるため、体中の神経のあるあらゆる場所で起こる可能性があります。その中で、
胸・腹・背中などは比較的多くみられる場所で、他には
顔面・頭部・腕・脚などにもみられます。また、
左右いずれかに起こることがほとんどです。
発症の現れ方・程度・順序などはさまざまで、特徴的であるはずの発疹が全くあらわれないものまであります。典型的なものとして、はじめは
「ピリピリ・チクチクした痛み=神経痛」が起こり、しばらくするとその部分が
「赤く」なり「水泡」ができます。このため、この時期は虫刺されなどと見分けにくいことがあります。次に、この水疱は2〜3週間すると
「かさぶた」になり、これらの皮膚の症状の改善とともに、痛み(神経痛)も軽減してゆきます。
しかし、特に中高年者に多いのが、皮膚症状が改善したあとも神経痛が残ってしま
う「帯状疱疹後神経痛」です。大変頑固な神経痛となることが多いため、注意が必要です。
また、顔面では目や耳の障害(角膜・結膜の炎症、顔面神経麻痺、耳鳴り、めまい、味覚異常など)が引き起こされる場合があり、注意しなければなりません。
皮膚科をはじめとした、専門的な診察・治療が第一です。ウイルスの活動を抑える内服薬と外用薬が中心になります。痛みが強い場合などは麻酔科・ペインクリニック、目や耳の症状を伴う場合は眼科や耳鼻咽喉科など、ケースに応じて専門的な診察・治療が必要です。必要に応じて専門医をご紹介しておりますので、ご相談ください。
当院では、
「帯状疱疹後神経痛」をはじめとした
痛みの治療、免疫力の改善などを目的に、
低周波治療・温熱療法・マッサージ・はり灸治療などを行っています。中でも、はり灸治療は大変有効です。