
1)腰椎分離症
腰椎(背骨)の関節突起間部(椎弓の上関節突起と下関節突起の間)というところで、分離したものです。
小学校高学年〜中学・高校生の、
激しいスポーをする男性に多くみられます。
原因は明らかになっていない部分もありますが、激しい運動をする選手に多いことなどから
「疲労骨折」と考えられています。
2)腰椎すべり症
腰椎分離症に伴って、腰椎の椎体がすべり出す(前方が多い)ものを
「腰椎分離すべり症」といいます。
20〜30歳ころの
男性に多くみられます。また、
40歳以上の女性に多いのが
「腰椎変性すべり症(腰椎無分離すべり症)」で、腰椎の分離を伴わないすべり症です。
激しい痛みは少なく
鈍痛であることが多いです。
まれに、足(下枝)に痛みやシビレが起こることがあります。
分離症やすべり症があっても、
痛みやシビレなどがほとんどない無症状の方も多く、分離やすべりの程度と症状が一致しないことがよくみられます。
また、ス、中腰での作業、長時間の同じ姿勢での作業
(デスクワーク、パソコン、車の運転)などで増強するのも特徴です。
「疲労骨折である」という点から、新鮮な骨折であれば、腰痛バンド・コルセットと安静で骨癒合(骨折で折れたところが修復される)が出来ることもあります。一方で、
「新鮮ではない骨折=骨癒合が期待できない」段階でみつかることの方が、現在のところは多いように思われます。
当院では、急性期は
安静が第一であるため、運動の休止が原則です。
痛みの軽減・筋肉の緊張緩和・血流の改善などを目的に、
腰痛バンド・コルセット固定をはじめとして、
低周波治療、テーピングなどを行っています。
次に、痛みなどの症状が軽減して急性期を過ぎると、急性期の治療に加えて
温熱療法・運動療法・ストレッチング・マッサージなどを行っています。
また、
はり灸治療も大変有効です。
手術治療は、基本的に行われることは少ないですが、手術療法を検討しなければならない場合もあります。そういった場合は専門医をご紹介いたしておりますので、ご相談ください。