皆さんの中にも、この嫌な痛みを経験された方は多いのではないでしょうか?
重い物を持つ、身体を捻る、朝顔を洗おうと身体を起こそうとしたとき…、原因は様々ですが、日常の
軽い動作でも起こることが多いのも特徴です。
「ぎっくり腰」とは、急性腰痛(急に起こった腰痛)の総称で、病名とは異なります。ぎっくり腰は、さまざまな種類の腰痛を含む言葉ですが、その中で
最も多いのが「筋・筋膜性腰痛」です。そこで、今回はこの「筋・筋膜性腰痛」を中心に記載します。
脊柱起立筋という背骨の両側にある筋肉が、さまざまな原因で
炎症を起こし腰痛をきたすことが多いです。骨や椎間板などには異常はありませんので、レントゲン・MRIなどでは異常は認められず、通常は必要ありません。(※加齢による腰椎症性変化、
椎間板ヘルニア、腰椎分離症・すべり症などを基盤にすることもあります。)
原因は多彩で、
重い物を持つ、中腰の姿勢、スポーツ、腰を捻ったなどが代表的です。
また、最近では、
同じ姿勢や
悪い姿勢で立っていたり、座る姿勢を長時間つづける人に増加しているように思われます
(立ち仕事、デスクワーク、パソコン作業、車の運転など)。

「少し腰が重い」といったものから、
「痛くて歩くことも立つこともできない!」といった激痛を訴えるものまで、痛みの程度はさまざまです。
痛みの部位は、腰背部の筋膜は広い範囲を覆っているため、
腰の痛みをはじめとして、
背中や骨盤部まで痛むことがあります。しかし、足のシビレ、神経痛、筋力低下(足に力が入りにくい)などの症状はあらわれません。
当院では、急性期(初期)は腰部の安静が必要ですから、無理なストレッチや運動は極力避けていただくようにし、具体的な日常の使い方も指導しています。その上で、
筋肉の緊張緩和・痛みの軽減・血流の改善などを目的に、
低周波治療、アイシング(冷却)、テーピング、腰痛バンド・コルセット固定などを行っています。
次に、痛みなどの症状が軽減して急性期を過ぎると、ある程度の運動なども必要になります。急性期の治療に加えて、
温熱療法・運動療法・ストレッチング・マッサージなどを行っています。また、
はり灸治療も大変有効です。